PET/CT検査とは?

ポジトロン断層(PET)検査について

PET検査は、放射線を出す「お薬」を静脈注射により からだの中に投与して、 お薬の分布のようすをからだの外から カメラで撮影し、病気に関する情報を得る検査です。



検査の安全性と危険性

PET/CT検査に使用される「お薬」は院内で合成されたもので、 厳しい製造基準 (中間法人日本核医学会が作成した「院内製造された FDGを用いたPET検査をおこなうためのガイドライン」)に合致して製造され、 品質を確認したのち使用いたします。 「お薬」の成分は、ブドウ糖に類似した薬剤の一部に放射性フッ素(18F)をつけたもので (18F−フルオロデオキシグルコース:「FDG」と略します)、副作用は極めて稀です。 しかし、個人差により、 静脈へ針を刺すときの痛みや、注射の際の血管や自律神経の反応などで気分が悪くなる場合もございます。 治療が必要な副作用が発生した場合には、可及的速やかに治療を行う体制ができておりますのでご安心ください。

検査の安全性と危険性受診者様は投与される「お薬」から少量の放射能を受けます(※)が、 将来にわたって起こりうる放射線障害を心配するような量ではありません。 また、からだの中に投与された 「お薬」から出る放射線は2時間ごとに半分になり、 その上尿として速やかに排泄されるようにできています。 翌日にはほとんど体の中に残りません。

※PETの被ばくについて
FDGから出る放射線の量は3.5mSvです。
Svとは、放射線が人間にあたったときにどれだけ健康に影響があるかを評価するために使う単位です。
通常、人の健康に影響することが確認されている放射線量は100mSv以上です。
FDGから出る放射線は時間とともに弱くなり、多くは尿と一緒に体の外に排出されますので心配ありません。
検査後は、水分を多めにとって排尿を促します。PET/CTでは、さらにCTによる被ばく1.4〜3.5mSvが加わります。
放射線による被ばくが心配になるかもしれませんが、日常生活の中でも身の回りに存在する放射線を受けています。
例えば、東京からニューヨークまで飛行機を利用すると、0.11〜0.16mSvの放射線を受けます。
また、日本においては、1年間の日常生活の中で受ける放射線の線量は平均2.1mSvといわれています。
不要な検査を繰り返すことはよくありませんが、医師が必要と判断した場合には検査を行い、がんの発見や治療の効果を確認することが大切です。
ただし、妊娠している人、妊娠している可能性のある人は、胎児が放射線の影響を受けやすいため、必ず医師に伝えて相談してください。

(c) 国立研究開発法人国立がん研究センター出典「PET検査とは Q&A」に基づく

PET/CT検査の目的のひとつは無症状のうちにがんを見つけることです。 PET/CT検査は小さながんまでも 発見できる可能性がある画期的なものですが、決して万能というわけではありません。 ですので、PET/CT検査を行い 異常が見つからなかったといって、 からだにがんが存在しないとは言い切れません。 臓器や部位によっては、検出が困難な がんもありますので、 MRI、エコーなど他の検査と組み合わせて受診されることをお勧めします。 ※女性に多い、乳がん・卵巣がん・子宮体がんは自覚症状が出にくく、 手遅れになる場合が多く見られます。 PETは着衣のまま寝ているだけの検査のため、 従来の婦人科検査のような精神的な抵抗感もありません。



PET/CT検査の注意事項

・妊娠中の方や、妊娠の可能性のある方は検査できません。

他に検査についてご心配な方は当クリニックまでお問合せください。



検査前後の注意事項

・検査前日から検査終了まで運動は控えて、できる限り安静にお過ごしください。
・検査当日は微量の放射性物質が体内に残っている為、その間は乳児や妊産婦との接触や 授乳を避けてください。
・検査後は水分をなるべく多く取ることをお勧めいたします。余分な検査薬の排泄が早くなります。